大阪高等裁判所 昭和24年(を)2448号 判決 1949年10月28日
被告人
高田十三三郞
主文
本件控訴は之を棄却する。
当審の未決勾留日数中六十日は之を本刑に算入する。
当審の訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
第一点について
原判決書を調べてみるに原審は被告人の主張してゐるような累犯加重をしてゐない累犯加重のあつたことを非難する被告人の主張は誤解に基くものである。更に憲法第三十九條後段何人も同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問はれないと謂ふ規定によつて判決確定後に累犯が発見された場合に從來累犯加重決定をして來た刑法第五十八條は廃止せられたけれども判決をする際に判明してゐた累犯を加重する刑法の規定は右憲法に違反しないので尚有効に行はてゐるのであるから新憲法で累犯加重がなくなつたといふ被告人の主張も誤解に基くものである。
第二点について
記録を精査し諸般の情状を考察するに原審の科刑は相当であつて不当な量刑ではない。
よつて刑事訴訟法第三百九十六條第百八十一條第一項刑法第二十一條を適用して主文の通り判決する。